夜中に目覚めて

深緑色の肉厚の葉が生い茂る背の高い植物。

 

それは、なんとも不恰好な姿をしていた。

 

馬鹿な子ほど可愛いということがあるが、不細工な植物ほど可愛く思えるということがあるのだろうか。

 

トゲだらけのサボテンばかりを特別好きな人々がいるように、不細工な観葉植物を愛する人も存在していい。

 

私が、そのひとりなのだから。

 

ある日、いきなり始まった。

 

朝、目覚めて股間に違和感を覚えたのだ。

 

淫夢を見た憶えはないが、私が男なら夢精していたのだろうか。

 

それは、毎日続いた。

 

目覚めると、濡れている。

 

私には、自慰の習慣がない。

 

この年齢でおかしいと思われるかもしれないが、処女にはよくあることだとどこかで聞いた憶えがある。

 

頭では必要を感じていなくても、身体のほうにはその必要が生じたのだろうか。

 

眠っているあいだに、自分でも気づかずに自慰行為をしているのか。

 

なんだか、情けないような気もしたが、それで済むなら勝手にすればいいと思う。

 

二週間が過ぎたある夜。

 

私は夜中に目覚めてしまった。

 

その最中にである。

 

行為は、自慰ではなかった。

 

信じられないことだが、観葉植物に私は犯されていた。

 

巨大な蛸か烏賊のように、足だか蔓だかわからないものを一本、私の身体に伸ばしている。

 

ベッドの足元に置いた鉢はそのままの位置にある。

 

不細工な観葉植物は昼間とまったく変わらない姿でそこにあった。

 

やはり蛸の足みたいだな。

 

妙に冷静にそんなことを思う。

 

蛸の足のようなそれの先端はおそらく男根の形をしているのだろう。